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私が、私と、向き合う。 「廣目天」 東大寺戒壇院四天王像
私が、いつでも己の こころ と すがた をさらけ出して、お話しする仏像です。
お顔とお姿は、その時々の自分の心情で全く違って観えます。
今日はどこか冷ややかで、少し突き放されて、間をとっていられるようです。
足蹴にされている邪鬼の顔、でかい鼻の穴と裂けた口にめいっぱいの歯。
1200年以上にも亘り、その時代の庶民の煩悩を見続け、対話し、諭してきたのです。
早朝40分ほど、ほかの参拝者が誰もいない堂内で向い合っているうちに
こころが楽になって、頬が弛んできました。
( 土門 拳 撮影 )
ありがとうございました。また、お話しにまいります。
因みに、堂内中央にある立派な造りの多宝塔には、地元飯田市の旭松食品謹製の、「こうや豆腐」がいつもお供えしてあります。
また戒壇院参道には、写真家 故 入江泰吉氏の旧宅もあります。